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第12期ちびっ子桧垣本座 第12回大和猿楽子どもフェスティバル・第12期ちびっ子桧垣本座卒業発表会

[2015年3月23日]

平成14年6月、大淀町では桧垣本猿楽座を本町独自の文化財産として育み、後世に伝えるための事業「大淀町能楽プログラム」の一つとして小鼓方大倉流大倉源次郎宗家の監修により『ちびっ子桧垣本座』を創座しました。私どもはちびっ子桧垣本座の卒業発表会を全国各地で能・狂言等の伝統芸能を学んでいる子どもたちとの交流事業と位置づけ、「大和猿楽子どもフェスティバル」としています。
このフェスティバルでは伝統文化の継承と振興をめざすことは基より、伝統芸能や文化が決して過去のものでなく、今を生きる私たち日本人の精神や生活スタイルの基盤を作り、さらには、日本の伝統芸能や文化を理解することが異文化理解の基盤に繋がることを知る機会ととらえ、まさに、「自国(ふるさと)を語り、他国を知る」ことであると考えています。第12回フェスティバルにはちびっ子桧垣本座を含め、県内外から能楽、山車からくり、八雲琴、雅楽をけいこする7団体が参加し、それぞれが日ごろの練習成果を大いに発揮しました。今回の司会は「おおよど語り部の会」代表・森本悦子さんが担当しました。森本さんも子どもたちの熱演とパワーに大感激のようでした。
会場前には、知育ブロックLAQで作った「ブタVSオオカミ」の展示がありました。

知育ブロックLAQ

ちびっ子桧垣本座(大淀町)

連吟「吉野天人(よしのてんにん)」 舞囃子「岩船(いわふね)」 舞囃子「高砂(たかさご)」
第12期ちびっ子桧垣本座は小学生2名と中学生5名の計7名ではじまりましたが、卒業発表会は中学生だけになってしまいました。少ないからって弱音は吐いていられません。座員はこのフェスティバルに向けて役割を決め練習を続けてきました。9月には唐招提寺、卒業発表会間際には大阪能楽会館、吉野山蔵王堂で演奏の機会をいただきました。できるようになると新しいこと、難しい手付にチャレンジしたくなりますが、なかなか大変な努力も必要です。ちょっと先生と根競べみたいなところもありました。でも、舞囃子は見所たっぷりでした。よくがんばりました。

ちびっ子桧垣本座

ちびっ子桧垣本座の熱演です。

ちびっ子桧垣本座の熱演の様子

犬山中学校アートコミュニケーションクラブ(愛知県犬山市)

山車からくり「猩々(しょうじょう)」
国宝犬山城で有名な犬山市では毎年4月に犬山祭が行われ、3層の「やま」13両が笛や太鼓にあわせて「からくり人形」を奉納します。犬山中学校歴史伝統サークル・アートコミュニケーションクラブは、毎週月曜日の夕刻、犬山の伝統芸能に非常に興味をもっている生徒達が集まり、犬山祭の折に演奏される笛、太鼓、謡、鼓などを教えていただいています。郷土犬山に伝わる伝統芸能に対する理解を深め、その技を後世に伝えていく上でも有意義な活動であるはずです。からくり人形は36本の糸を操り動かしています。人形つかいは大変です。

犬山中学校アートコミュニケーションクラブ

斑鳩小学校能楽金剛クラブ(生駒郡斑鳩町)

連吟「蝉丸(せみまる)」 仕舞「老松(おいまつ)」 仕舞「清経(きよつね)」
斑鳩町は世界遺産の「法隆寺」とともに大和猿楽四座、坂戸座(金剛流)発祥の地とされ、斑鳩小学校の校区内にはその地とされる北庄があります。斑鳩小学校では平成15年から3年生が日本の伝統文化(芸能)を体験するなかで、「礼儀」「あいさつ」「けじめ」を大切にしようと総合的な学習の時間に能の謡と仕舞を奈良金剛会主宰シテ方の植田恭三先生の指導で学習してきました。平成16年には小学校の必修クラブとしては日本唯一の能楽金剛クラブが作られ、技能を磨くためにイベントにも参加し、マスコミ等にも取り上げられ励みとなっています。金剛流は「型金剛」「舞金剛」を言われ、優美で勇壮な仕舞の特徴をもっています。その魅力ある舞を習得し、多くの人に能の魅力をわかっていただくためにも日々練習に精進しています。

斑鳩小学校能楽金剛クラブ

なら100年会館こどもお能クラブ(奈良市)

連吟「闌曲(らんきょく)奈良八景(ならはっけい)」 仕舞「高砂(たかさご)」 仕舞「葛城(かつらぎ)」 仕舞「鶴亀(つるかめ)」
奈良発祥の伝統芸能である能楽の普及・発信を目的に平成17年7月に発足し、毎週1回、シテ方金春流の金春康之師を講師に迎え、小・中学生を対象にお稽古を重ねています。これまでに東大寺大仏殿、二月堂礼堂、薬師寺東院堂、大安寺本堂、手向山神社拝殿、春日大社若宮神社等で舞や謡などを奉納させていただいてきました。他の施設での催しに積極的に参加して、能の魅力を外部に発信することにも努めています。

なら100年会館こどもお能クラブ

明日香伝承芸能こども教室(明日香村)

「菅掻六段曲(すががきろくだんぶり)」 「奈良の都」 「飛鳥川」
八雲琴は、二絃琴とも言い、その起源は遠く、古事記にも記されている天の詔琴を以って発祥とされています。現在の八雲琴は、江戸後期文政の頃、伊予の中山琴主が再興し、全国に広めました。第七世山本震琴師は、八雲琴演奏者として国の無形文化財の指定を受け、八雲琴を保存伝承して広く東洋音楽としても紹介されています。今回出演の子どもたち、小学四年生2名は稽古をはじめて2年になり、演奏曲目も増えて歌も上手に歌えるようになりました。五年生の3名と中学一年生1名は毎年このフェスティバルに参加しています。中学二年生の男子2名は九ヶ月ほどで、演奏できる曲はまだ5~6曲ですが、確実にきれいに演奏し、歌えています。男子の衣装も女子同様とても優美です。

明日香伝承芸能こども教室

橋本こども狂言教室(和歌山県橋本市)

狂言「萩大名(はぎだいみょう)」
若い人たちに伝統古典芸能のすそ野を広げるとともに、狂言を通じて心豊かでふるさとに愛着をもった次世代の若者を育てることが、教育者でもある故人後藤光基をはじめとした橋本狂言会員らの願いでした。それを実行に移したのが橋本市内の小中学校にも協力をいただいて平成17年8月に立ち上げた「子ども狂言教室」です。会員募集のウリは「プロの狂言師の指導が受けられる」で、大和座にお願いして講師を派遣していただきました。
「子ども狂言教室」は毎年7月~翌年2月にかけて実施し、最後に修了記念の発表会を開催。平成25年度生で第9期となりました。

橋本こども狂言教室

九品寺雅楽こども教室(御所市)

「平調(ひょうじょう)音取(ねとり)」 「平調五常楽急(ごじょうらくきゅう)」 「平調陪臚(ばいろ)」 「越殿楽今様(えてんらくいまよう)」
雅楽はおよそ1300年続いている日本の伝統的な音楽です。この伝統の音楽文化が次世代を担う子どもたちに伝承する事を目的として雅楽子ども教室を始めました。平成17年に文化庁委嘱の『財団法人伝統文化活性化国民協会』の支援により5年間活動させていただき、その後、会所を御所市楢原の九品寺に置いて継続しています。雅楽教室では、挨拶に始まり、挨拶に終わります。本堂では阿弥陀さまに手を合わせ、お勤めをします。練習が終わってからも仏様に手を合わせてお勤めをします。教室に通う子どもたちのお家の宗派はまちまちです。ここでは宗派にこだわらず、伝統文化の伝承と共に仏様に手を合わす事を大切にしています。

九品寺雅楽こども教室

第12期ちびっ子桧垣本座 第12回大和猿楽子どもフェスティバル・第12期ちびっ子桧垣本座卒業発表会への別ルート

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