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蔵王権現堂(泉徳寺)

[2019年5月15日]

蔵王権現堂(泉徳寺)

大淀町今木。蔵王権現堂は、泉徳寺東側の山上です。権現堂・本堂内の仏像拝観を希望される場合は、泉徳寺までお声がけください。

今木地区の蔵王権現堂(泉徳寺) を中心とした一帯は、中世から近世にかけての修験道の歴史と、民間信仰のかたちを残している貴重な場所です。
山上の山門には延宝5年(1677年)の棟木が残っています。もと本寺にあった梵鐘の銘には、「権現応(堂?)跡 小角(おづぬ)草創 洪基歳雋再興至維時(持)明暦3年(1653年)本願海雄」とあって、この頃の住職・海雄さんが山門の整備とあわせて権現堂を再興したようです。
山門口に建つ一対の石灯籠には、「天狗山聖大権現」「宝暦6年(1756年)」の銘があります。この石灯籠は、今木の地域の「神仏習合」(神社と寺院が融合した信仰のかたち)の風習を残す貴重なものです。このころ、権現堂のあたりを指して「てんぐ山」という名前がついていたこともわかります。

蔵王権現堂山門の写真

蔵王権現堂山門

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木造薬師如来坐像

権現堂からのびる坂道を登ると、旧薬師堂があります。かつて、堂内に安置されていた鎌倉時代の様式を残す薬師如来坐像は、現在、麓の泉徳寺本堂内に移されています。

[大淀町指定 有形民俗文化財]蔵王権現堂内外石仏群

権現堂内の石仏は、蔵王権現像に「永禄12年(1569年)備中国(岡山県)」の銘文、役行者像と前鬼・後鬼像に「永禄11年」の銘文、竜王像に「永禄12年 備中国」の銘文があって、ほぼ同じ年代に作られたものです。特に蔵王権現像は、石造りとしては奈良県内でも珍しいものです。
権現堂の外にある石仏には、「永禄12年 伯耆大山 出雲大社」の銘文があります。この頃には、すでに権現堂が建っていて、遠く離れた山陰地域とゆかりの深い石仏がまつられていたようです。平成5年(1993年)5月1日、これらの石仏群17点が、あわせて町指定の文化財となりました。

権現堂内の石仏群の写真

権現堂内の石仏群

権現堂外の石仏群の写真

権現堂外の石仏群

[大淀町指定 有形文化財(彫刻)]木造金剛力士像

蔵王権現堂の山門にある木造金剛力士像(阿形・吽形)は、文禄4年(1595年)、泉州(大阪府)の大寺より飛来したと伝えます。このときこの力士像を、てんぐが両脇に抱えて飛んできた、という言い伝えがあります。
阿形像の内側には、「南無日天子 明暦弐(1656)年 大坂今橋道(通)尼崎町住ス 摂州四天王寺 上宮聖徳太子之 大佛師 國見大和部郷 藤原重光作 申七月十五日」の墨書があって、伝承より60年も後の時代に作られていたことがわかります。ちからづよい作風と、制作年、作者がわかる貴重な仏像として、平成2年(1990年)7月1日、金剛力士像二躯が町指定の文化財となりました。

木造金剛力士像(阿形)の写真

木造金剛力士像(阿形)

木造金剛力士像(吽形)の写真

木造金剛力士像(吽形)

アクセス


蔵王権現堂(泉徳寺)への別ルート

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